身が固く食べにくいネタを食べやすくするために、包丁で切れ目を入れること。例えば、鮮度のいい烏賊は、はちきれそうな弾力があり、ふんわり握るとシャリは烏賊と密着せず、崩れやすい。この相容れないものから一体感を引き出すところに、すし職人の腕の見せ所がある。そのために欠かせないのが、ネタにほどこす「隠し包丁」だ。特に烏賊の身は思いのほか硬く、細かい切り目を入れないと口の中に烏賊だけが取り残されしまう。