鰻は、日本では昔から食べてきたが、もっと以前の古代ギリシャ、ローマの人々も好んで食べていた。市場に出回る鰻は、ほぼ養殖物。天然物は1%も満たない貴重品だ。ふっくらとした身から滋味に満ちた脂が溶け出し、食べると歯応えを残しながらも、ほろほろと崩れる身はとても柔らかい。そこにタレの甘み、焼き目の香ばしさ、さらにシャリの酸味が重層的な味を生み、なんとも言えない美味しい味となる。
【ウナギの基本データ】
分類:ウナギ目ウナギ科ウナギ属
学名:Anguilla japonica Temminck and Schlegel,1847
地方名:クロメ、アオバイ(岡山県)、ヌチャウナギ/ヤアクヮヤ/ウナジ(沖縄県)、エドマエ/カニクライ(東京都)、オナギ(大阪府、兵庫県、鳥取県、徳島県)、カワヤツメ(北海道)、サジ(栃木県)、フト(愛知県)、メソッコ(千葉県)、カヨコ(千葉県)、スベラ(長野県)、チュウ(浜名湖)、リンズウナギ(高知県)
魚名の由来:古名は、「むなぎ」と記されている。「む」は「身」、「なぎ」は「長し」という意味です。