寿司屋では、一般的にキスと言えば、「シロギス」を指す。天婦羅にする魚としてよく知られるが、初夏のキスは脂ののりがよく、光りものの逸品である。鮮度の落ちやすい魚なので、軽く酢で締めて供される。そのあっさりとした味に隠れたふくよかな旨みがキスの醍醐味である。噛むほどに爽やかな香りが立ち上がる。
【キスの基本データ】
分類:スズキ目キス科キス属
学名:Sillago japonica Temminck and Schlegel,1844
地方名:マギス、シラギス(東京)、キスゴ(四国、九州)、キツゴ(長崎県)、コズノ(播磨)、カハキ(摂津)、カワギス(鹿児島県)、キスコ(八郎潟)、アカ、アカギス(徳島県)
魚の名の由来:淡泊なことから混じりけのない意味の「生(き)」と飾り気のない意味の「直(す)」から「きす」となったとする説が有力です。