鮪は身質によってトロと赤身に分けられる。トロは内臓を包んでいる腹側の身肉を言います。大トロは頭寄りの脂身で脂質含有量は約25~30%です。旬の冬には40%近くになります。
ちなみに大量に含まれる脂質は酸味や苦味などを和らげる力がある。一般に脂質を摂取すると脳の中でβ-エンドルフィンという脳内モルヒネが作用して、やみつきになる。つまり大トロには何度も食べたいという魔力のようなものがある。
大トロの中でも、特に脂が強いのが、蛇腹(じゃばら)と言われる部位だ。白い筋が口に触るので、氷蔵して数日間熟成させ、口の中で溶ける頃合いを待つ。寝かし過ぎると色目が変わり、かつ柔らかすぎて握り難くなる。一方、霜降り(しもふり)は希少価値の高いネタで、白い筋がなく脂が全体に行きわたり、なめらかな口当たりが特徴だ。
切りつけは霜降り部分は少し薄めに、柔らかいところは厚めにする。シャリは程よく鮪の脂が溶けるよう高めの温度で握る。40℃ぐらいが目安です。