日本では、5種の甘鯛が棲息していて、黄甘鯛、赤甘鯛、白甘鯛の3種類が市場に出回る。赤甘鯛は、体が全体的に赤く、眼の下の鮮やかな黄色と、ヒレの一部がコバルトブルーに輝いているのが大きな特徴です。赤甘鯛は関西では「グジ」と呼ばれて、京料理には欠かせない食材の一つです。黄甘鯛は、赤甘鯛とシルエットや大きさは同じですが、赤甘鯛よりも顔や尾びれが黄色いのが特徴です。水深が30~300mの砂泥地を好み、甘鯛類の中ではもっとも深い場所に生息しています。白甘鯛はその名の通り体が白っぽく「シラカワ(白い皮の意味)」とも呼ばれている。
シラカワは他の2種に比べ、身に弾力があり、芳醇な脂が乗っており、刺身やすしネタに向いている。そして生で食べても、昆布締めにしたと勘違いするくらい旨みが強い。身と皮の間にある脂が甘く、皮そのものも美味しいので、皮を付けたまま刺身で食べることもある。旬は秋から冬。ただ甘鯛を1000匹釣り揚げて、1匹ぐらいしか獲れないと言われており、高級寿司店でもなかなかお目に掛かれない代物です。
【シラカワの基本データ】
分類:スズキ目アマダイ科アマダイ属
学名:Branchiostegus albus Dooley,1978
地方名:テス、グシ
名前の由来:アマダイの仲間のうちで、体色が白っぽいことから、その名が付いた。学名の”albus”とは「白い」という意味のラテン語である。