鰤は太平洋側でも、日本海側でも、成魚も若魚も、春から夏にかけて餌をあさりながら北へ向かって回遊し、秋から冬には寒さに追われて南へ回遊する。北へ向かう群れも、南へ向かう群れも、季節を問わずあちらこちらで漁獲されるが、まるまる太って、しかも程よく身が締まった冬のブリが最高である。
成長するにつれて「ワカシ」「イナダ」「ワラサ」「ブリ」と名前が変わる出世魚だ。冬を代表する味覚で、特に富山で水揚げされた「寒ブリ」は絶品だ。鮪のトロに劣らないほど脂の旨みとまろやかな味がたまらない。2~3日熟成させると、さらに旨みが増す。
【ブリの基本データ】
分類:スズキ目アジ科ブリ属
学名:Seriola Quinqueradiata Temminck and Schlegel,1845
地方名:モジッコ(幼魚:和歌山県、高知県)、タンゴブリ(茨城県)、アオブリ(富山県)、アカンボ(和歌山県、長崎県、鹿児島県)、スベリ(鳥取県)、アオイオ(高知県)、テンコツ(鹿児島県)、フクラゲ(若魚:日本海側)、シヨノコ(岩手県)、シヨウノコ、ニウドウ、バチ(新潟県)、サンバク(茨城県久慈)、ガンドウ(富山県、石川県)ニマイズリ、オフクラギ(石川県)、ハナマガリ(京都府丹後)、マルコ(鳥取県)、テンコ(島根県壱岐)、スズイオ(高知県)、ヤズゴ(福岡県)、ヤガラ(長崎県)、アカバニソジ(沖縄県)
魚名の由来:年をとった魚を表す「経魚(ふりうお)」から転じてブリとなったとされる。