フグは太平洋西部や東シナ海などの湾内に多く生息する。日本近海で獲れるフグは約50種類で、食用にするのは、トラフグ、真フグ、ショウサイフグ、カラスフグなど22種である。
フグは卵巣、肝臓、腸に猛毒を持つため、フグ調理の免許持った調理人と設備がないと調理できない。東京都では2012年にフグの取り扱い規制が緩和され、フグの有毒な部位を取り除いた身を扱えるようになった。
虎のような模様があるトラフグは日本で食用と認められているフグの仲間で最も美味とされ、かつ値段も圧倒的に高い。フグの身は脂質含量がわずか0.3%と非常に少ないので、あっさりとした旨みと上品な後味が特徴だ。活け締めして、すぐのものは身が固く(体側筋にはコラーゲンが多く、その含有量はマイワシの3倍もある)、そのため熟成期間をとり、旨みが増したところで供する。薄造りで仕立てた握り寿司は、噛み締めるごとに、旨みが広がる一品だ。旬は冬。ただ、天然物に限られたこと。
【トラフグの基本データ】
分類:フグ目フグ科トラフグ属
学名:Takifugu rubripes (Temminck and Schlegel,1850)
地方名:シロ、ホンフグ(大分県別府、山口県下関)、マフグ(兵庫県、広島県、山口県下関)、ダイマル、オオフグ(香川県、岡山県)、モンフグ、ゲンカイフグ(大分県、長崎県壱岐)、シロマル、テッポウ(大阪府)、キタマクラ/モンフク(高知県)、クロモンフグ(大分県)、イガフグ(富山県)、オヤマフグ(紀州)、フク(福岡県)、クマサカ(秋田県男鹿)、クマサカフグ(新潟県石地)、トジラフグ(福岡県柳川)
魚名の由来:虎河豚の「虎」の由来は不明です。海の底を吹いて(水流)餌を食べることから、「吹く」と付いた。
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冬